知らないともったいない!AutoCADの便利なオブジェクト選択方法とは?

テクニック集

AutoCADでオブジェクトを選択する時、窓選択かクリック選択だけと思っていませんか?

この記事ではそれ以外のコマンド実行時のオブジェクト選択方法をご紹介します。


これからご紹介する方法は覚えておいて損はないですよ。

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選択モードの設定

まず始めに、選択モードの設定を下記のようにすることをオススメします。

設定方法

まずオプションを開けます。

主な開き方は2種類

[コマンドラインを右クリック→出たリストの一番下のオプションをクリック]

[メニューバー→ツール→一番下のオプションをクリック

オプションを開いたら、その中の選択タブをクリックし左側の選択モードを確認します。

それぞれの役割は各項目にカーソルを合わせると内容がポップアップして表示されるのでご確認ください。

どの項目をONにするかは下の画像の赤枠内の設定をオススメしたいと思います。

基本的にはキーボードショートカットをメインで操作する場合の設定になります。右クリックコマンド入力の場合は

クリック選択と窓選択

1番簡単で最初に覚えるのがクリック選択と窓選択だと思います。改めて簡単に説明しておきます。

クリック選択

カーソルをオブジェクトに合わせて左クリックするだけです。

追加でオブジェクトを選ぶときの設定があります。

設定方法は、まず先ほどのオプションを出して、

その中の「選択」タブ「選択モード」から「選択セットへの追加に[Shift]を使用」にチェックを入れると、
Shiftを押しながらクリックする事で追加選択できるかどうかを設定できます。

トシザキ
トシザキ

紹介しましたが使うことは少ないと思います。。。

私はチェックを外しています。

窓選択

何もオブジェクトがないところでマウスの左をクリックしたままマウスを動かすと窓選択になります。

窓の囲み方にはコツがあり、右から囲む場合左から囲む場合では選択結果が変わります。

例として下の画像のような図形が並んでいた場合

顔のようになってしまいましたが。。。

右から左へ囲む場合

まず右から左へ囲むと画像のように標準で選択窓が緑色になります。

具体的には
①選択したいオブジェクトの右側でマウス左クリック

②選択したいオブジェクトの左側でマウス左クリック

するとオブジェクトを選択できます。

クリックボタンを押し続けなくても大丈夫です。
逆に押し続けると投げ縄選択になってしまいます。

補足

右下から左上でも右上から左下でもどちらでも大丈夫です。

右から囲むと、上記画像のようにオブジェクト(図形)に選択窓が一部しかかかっていない状態でもオブジェクト(図形)を選択することができます。

左から囲む場合

右から囲むのとは異なり、今度は選択窓が青色になります。

左から囲む場合、オブジェクトの一部に選択窓がかかるだけでは選択できません。

選択したいオブジェクト全体を窓で囲むようにしないと選択できません。

上記画像の状態は線分はすべて窓に入っているので選択できますが、円と四角はすべて入っていないので選択できません。

補足

左下から右上でも左上から右下でもどちらでも大丈夫です。

左から囲む場合の応用方法

例として下の画像のように線分オブジェクトがあるとします。
(実際にはあまりないかもしれませんが分かりやすくするための例です。)

この線分のうち、赤い線だけ選択ししようと思う場合

オブジェクトすべてが窓に入らないと選択できない事を利用します。

その時に左から囲む窓選択で下の画像のように選択すると赤の線だけ選択することができます。

トシザキ
トシザキ

最初は分かりにくいかもしれませんが、使っていくうちにすぐ慣れてきます。

グリップ操作

オブジェクトを選択すると端点や中心などの基点に青い四角が表示されます。

そこをドラッグ(マウスボタンを押したままカーソル移動)するとオブジェクトを変形させられます。

それとは別にグリップを1度クリックしてから、スペースを押すことによって色々なコマンドを起動できます。

キーボードショートカットキー入力や右クリック入力に慣れている場合は、スペースキーを何回押したらどのコマンドが出てくるか、なかなか覚えにくいと思います。

トシザキ
トシザキ

私がそうでした。。。

なので覚えるまでは、スペースキーを押した時コマンドラインにどのコマンドが起動されているか表示されるのでそれで判断できます。

出てくるコマンドの順番としては

移動 → 回転 → 尺度変更 → 鏡像 → ストレッチになります。

下記にコマンドラインに表示される各文言を記載します。

移動
回転
尺度変更
鏡像
ストレッチ

ちなみに複写(コピー)もありそうですが複写(コピー)は移動コマンドから起動できるのでありません。

このグリップ操作コマンドはハッチングの編集の時に効果を発揮します。

投げ縄(フリーハンド)選択

投げ縄選択は窓選択とよく似ているのですが、窓選択が長方形でしか選択できないのに対して投げ縄選択は自由な形状で選択できます。この選択方法も左右どちらから囲うかによって選択結果が変わります。

操作方法

操作方法としては簡単で選択時にマウスのクリックではなく、ドラッグするようにボタンを押しながらカーソルを動かすと投げ縄選択ができます。

ポリゴン選択

投げ縄選択のような選択方法ですが、投げ縄選択はフリーハンドの窓ポリゴン選択は定規を使った窓と考えると分かりやすいかもしれません。

操作方法

オブジェクトを選択する時にキーボードでwp(ポリゴン窓)もしくはcp(ポリゴン交差)と入力してエンターキーまたは右クリックを押すとポリゴン窓で選択できます。

ポリゴン窓とポリゴン交差の違い

ポリゴン窓(wp)・・・窓にオブジェクト全体を入れないと選択できない

ポリゴン交差(cp)・・・窓がオブジェクトに交差していれば選択できる

Fでフェンス選択

フェンス選択とは分かりやすく言うと画面上に線を書いてその線と交わるオブジェクトを選択できる方法です。線は直線となりますが下の画像のようにランダムにひく事も可能です。

具体的にどういうシチュエーションで使えるかというと、

下の画像の赤線の中のように少しだけ出ている線をトリムしたい時や

nななmななめ↘ななめ

下の画像のように斜めの線の間を赤線の位置でトリムしたい時

操作方法

今回はトリムコマンドで実行しましたが、どのコマンドでも基本的には同じです。

①コマンドを起動して、「オブジェクトを選択」がでたらキーボードで F を押し右クリックまたはエンターキーを押します。

②すると線分作成のような状態になるので、マウスの左クリックで線を書くように始点と終点を決め、右クリックまたはエンターキーを押せば選択できます。 

Ctrl+Aで全選択

あまり多くないですが、画面上のオブジェクトを全て選択したいときはctrl+Aが便利です。

操作方法

操作方法も簡単でキーボードでctrl+Aを同時押しするだけです。

補足

非表示にしている画層も選択されてしまいますが、フリーズオフにしている画層は選択されません。

オブジェクトの選択解除方法

色々選択している時に間違って選択した場合、最初から選択し直していませんか?

ちゃんと選択解除する方法があります。

Shift+クリック選択で選択解除

キーボードのShiftを押しながらクリック選択をすることで、間違って選択したオブジェクトの選択解除ができます。

キーボードのRキーで選択解除

コマンド実行中、コマンドラインに「オブジェクトの選択」が出ているときに
キーボードで R を押して右クリックまたはエンターキーを押します。

すると、下の画像のように「除外するオブジェクトを選択」と出るので、
選択解除したいオブジェクトを選択するだけです。

特定のオブジェクトだけ選択する①「オブジェクト選択フィルタ」

作図していると寸法だけ選択したい、この画像だけ選択したい、赤の線だけ、ブロックだけ、、、と
特定のオブジェクトだけ選択したい時が出てきます。

その時に便利なのが「オブジェクト選択フィルタ」(コマンド:FILTER)です。

こちらの選択方法は操作が少し手順が多いので詳しく説明します。

操作方法

コマンドを実行すると下の画面が出てくるので、左側の選択フィルタの下の窓をクリックします。

クリックすると、下のようにリストが開くので使いたいフィルタを選びます。

今回は例としてでフィルタをかけます。

リストからを選び、右隣りの選択ボタンをクリックします。

すると下の色を選ぶウィンドウが出てくるので色を選びOKボタンを押します。

今回は赤を選択します。
赤(red)は色番号1番なので1が表示されたのを確認したら「リストに追加」を押します。

「リストに追加」を押して上のリストに追加されたのを確認できたら右下の「適用」を押します。

「適用」を押すとオブジェクトを選択する画面になるので、フィルタ選択したいオブジェクトをすべて選択します。

選択して、最後に右クリックをすると赤のオブジェクトだけ選択できます。

このあとは、移動や削除などあなたの行いたいコマンドを実行するだけです。

特定のオブジェクトだけ選択する②「クイック選択」

特定のオブジェクトを選択する方法にはもう一つあります。

それが「クイック選択」です。

操作方法

クイック選択は部分的なオブジェクトに選択をかける場合は先にそのオブジェクトを選択した方が分かりやすいです。

オブジェクトを選択できたら
コマンドラインに「QSELECT」を入力  

もしくは
パレットの「オブジェクトプロパティ管理」画面から

  1. メニューバーのツールをクリック
  2. 出てきたメニュのパレットにカーソルを合わせて
  3. 出てきたリストのオブジェクトプロパティ管理をクリック
  4. オブジェクトプロパティ管理のパレットが出てくるので
  5. 右上にあるクイック選択をクリック

という操作方法でクイック選択を起動します。

起動させるとしたのクイック選択のウィンドウが出ます。

一番下の「現在の選択セットに追加」のチェックは外しておいた方が使いやすいです。
※外しておかないと常に図面全体から抽出されるので選択したくないオブジェクトまで選択されます。

つづいて次のように設定します。

適用先:現在の選択セット

オブジェクトタイプ:複数

プロパティ:

演算子:等しい

値:Red

適用方法:新しい選択セットに含める

これでOKをクリックすると「オブジェクト選択フィルタ」と同様に
赤のオブジェクトだけ選択できます。

トシザキ
トシザキ

「オブジェクト選択フィルタ」や「クイック選択」はまた別の記事で詳しく書こうと思います。

まとめ

オブジェクトの選択方法一覧

  • クリック選択
  • 窓選択
  • グリップ操作
  • 投げ縄(フリーハンド)選択
  • ポリゴン選択
  • Fでフェンス選択
  • Ctrl+Aで全選択
  • オブジェクトの選択解除方法
  • Shift+クリック選択で選択解除
  • キーボードのRキーで選択解除
  • 特定のオブジェクトだけ選択する①「オブジェクト選択フィルタ」
  • 特定のオブジェクトだけ選択する②「クイック選択」

基本的にはクリック選択窓選択が主流ですが、それ以外でも使えるコマンドがたくさんあります。

特に「オブジェクト選択フィルタ」「クイック選択」はAutoCADで作図していると結構使います。

オブジェクト選択方法もマスターして作図スピードもアップしましょう。

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