この記事では通符号をブロック化して効率的に活用させる方法をご紹介します。
図を書くうえでどのような図面でも通芯はほぼ必要になってきます。
そして通芯にはセットで通符号が必要になります。
今回はその通符号を作図に役立つようにカスタマイズする方法をご紹介します。
通符号記入の効率化の方法
通符号は基本的には円オブジェクトと数字などの記号で形成されますが、そのままだと次のデメリットがあります。
それを解決するのに通芯符号をブロックにします。
ブロックにしてワイプアウト(WIPEOUT)というコマンドも追加すると、通符号の背景を不透明化させることもできます。
通符号ブロック化
ブロック化の方法を説明していきます。
1⃣ まずは円コマンド(CIRCLE)で円を書きます。
・画層は「0」(ゼロ)
・色は「ByBlock」
・線種も「ByBlock」
に設定して書きます。
2⃣ ブロックコマンド(BLOCK)でブロック化します。
※ブロック化の時の設定として上の画像のようにチェックを入れます。
3⃣ 出てきたウィンドウの名前の欄にブロックの名前を記入します。
なんでも構わないのですが今回は分かりやすく「通符号」と記入します。
4⃣ ウィンドウ真ん中のオブジェクトの「オブジェクトを選択」の左のボタンをクリックします。
ブロックにしたいオブジェクトを選択します。今回は先ほど書いた円を選択し右クリックします。
5⃣ 右クリックすると2⃣のウィンドウがまた出てくるので「OK」をクリックします。
6⃣ 最後に基点を指定しないといけないので円の中央をクリックしてブロック化は一旦完成です。
続けてさらに手を加えます。
通符号を拡張属性で記入する
ブロックを作るときに文字を一緒にブロック化してしまうと、後で編集ができません。
今回の通符号は後で編集する必要があるので、編集できる「拡張属性」というオブジェクトで設定する方法を紹介していきます。
1️⃣ まずはブロック編集を行います。
作成したブロックをダブルクリックして、ブロックエディタ(編集画面)を開きます。
2⃣ ブロックエディタのリボンが表示されるので、その中の「挿入」タブ をクリックし
出てきたメニューの「属性定義」をクリックします。
3⃣ 属性定義の設定ウィンドウが出てきます。
属性-名称を「通符号」、文字設定-位置合わせを「中央」に設定します。
文字の高さは2.5としていますが、あなたの書いた円とのバランスが良い高さでOKです。
4⃣ 3⃣のウィンドウでOKをクリックすると属性定義という文字を作成できるので、基点を円の中心に
合わせて左クリックします。
5⃣ すると
このように通符号が入ったものができているはずです。
ここまで終わればブロックエディタを閉じます。
※ブロックエディタを閉じて、ブロックを見ても円しかありませんが大丈夫です。
次の6⃣、7⃣の手順で通符号を入力できます。
6⃣ 拡張属性をブロックに同期させます。
リボンの挿入-属性管理をクリック
もしくはコマンドラインに「BATTMAN」と入力してエンターキーを押します。
すると下の「ブロック属性管理」ウィンドウが開きますので、
① 左上の「ブロックを選択」ボタンで、先ほどの通符号のブロックを選択して
② 右上の「同期」ボタンをクリックして
③ OKボタンをクリックします。
7⃣ 同期をしてから通符号ブロックをもう一度ダブルクリックすると「拡張属性編集」ウィンドウが
開きますので、値に通符号を記入してOKをクリックします。
これで見た目は通符号になりますが、下記で紹介する機能が便利なのでついでに設定しておいた方が後々、役にたちます。
通符号の上下左右に基点を設定する
通符号を図面に設定するとき、画像のように通符号の円の上下左右でスナップできないと、手間とストレスが増える原因となります。
簡単にスナップできるようになります。
1⃣ まず、前々項・前項で作った通符号をダブルクリックしてブロックエディタを開きます。
2⃣ 円のままではスナップできないので、点オブジェクトを追加します。
まず、仮に十字に線を書きます。
3⃣ 線と円との交点に点オブジェクトを書きます。(※画層はDEFPOINTにしておきます。)
メニュー ⇒ 作成 ⇒ 点 ⇒ 単一点
またはコマンドラインに「point」でエンターキーでコマンドを起動させます。
4⃣ 点オブジェクトを書けたら、仮に書いた線分を消してブロックエディタを閉じます。
ワイプアウトを設定する(背景の不透明化)
通符号を記入する時、通符号の後ろに線などがあると非常に分かりにくくなります。
通符号に限らず、文字全般に言えますよね
そこで、通符号の円の中を不透明にして線などが重なっても見えないように設定します。
1⃣ まず、前々項・前項で作った通符号をダブルクリックしてブロックエディタを開きます。
2⃣ 通符号の円の内側に多角形のポリラインを書きます。
(ポリラインは円形状でも作成できますが、ワイプアウトは線分にしか設定できないためです。)
もう少し細かい多角形にしてもいいのですが、ワイプアウトを常時表示にしたときに、
スナップされすぎるため8角形にしています。
3⃣ 作成した多角形をワイプアウトオブジェクトにします。
メニュー ⇒ 作成 ⇒ ワイプアウト
またはコマンドラインに「wipeout」でエンターキーでコマンドを起動させます。
4⃣ 起動したら出てくる選択メニューからポリラインを選び、先に作成した多角形をクリックします。
選択すると「ポリラインを削除しますか?」と聞かれるので「はい(Y)」を選択して終わります。
5⃣ 最後にブロックエディタを閉じて通符号の完成です。
まとめ
通符号は通芯とセットとなる図面の基礎となる要素です。
図面に書く頻度も高いので、ご紹介した方法の効果は少しだとしても積み重ねれば大きな効果が期待できます。
また、ミスが少なくより簡単な方法で作図した方がスピードや精度に好影響がでるので是非試してみてください。
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