この記事ではAutoCADで斜めや90°回転して作図したい時に簡単にする手段として、UCS設定を使う方法をご紹介します。
AutoCADを使っているとUCSという単語を見かけることはありませんか?
英語でよく分からないし、使わなくても作図ができているから別にいいやと思っているあなたはだいぶ損をしていますよ。
今回はUCS設定を使うことで作図の効率化もできストレスも少なくできる方法をご紹介します。
UCSとは
まずUCSというものが何なのか分からないという場合、概略だけでも理解しておいた方が後でご紹介する方法も理解しやすくなります。
次はAUTODESK公式ページで説明されている一文です。
UCS は、XY 作業平面、水平方向、垂直方向、回転軸、その他の有用なジオメトリ基準を確立する、移動可能なデカルト座標系です。点の指定、座標入力、直交モードやグリッドなどの作図補助を使用するときに、便利なように UCS 原点と方向を変更することができます。
AUTODESK Knowledge Network
はい。結局どういうことかというと・・・
簡単にいうと、図面で通芯があったり、
下図のように折れ線グラフで軸があったりするように
AutoCADにも座標という図面軸があります。それがUCSです。
そのUCSにもX軸とY軸(3Dの場合はZ軸も)があります。
そのX軸とY軸の交点がUCS原点になります。
そして、AutoCADの座標軸としてのUCSは回転できるということが一番のメリットです。
UCS設定で効果を発揮させる方法
それでは具体的にご紹介します。
建物などの作図対象が通芯やFLに対して斜めの時
色々な物件を作図していると、上の図面のように必ずしも通芯やFLに対して建物等が平行・垂直であるとは限りません。そういう場合、特に斜めになっている時にUCS設定が効果を発揮する方法をご紹介します。
次の手順では、2つの方法
・斜めのオブジェクトに合わせて回転させる方法
・自分で角度を決める方法
があります。
(自分で決める方法もオブジェクトに合わせる事が多いですが)
どういうことか詳しく説明していきますね
UCSの合わせ方
自分で決めるUCSの合わせ方の説明もしておきます。
- UCSコマンドを起動
- 左クリックでUCSの原点にしたいポイントを指定(これといった理由がなければ通芯の交点など分かりやすい所で構いません)
- X軸を決めるために、X軸にしたいラインの延長上の点を左クリックで指定
- 同じようにY軸を決めるために、Y軸にしたいラインの延長上の点を左クリックで指定
これで完了ですが、実際にやってみたら、線分など斜めのオブジェクトがないと設定しにくい事が分かると思います。なのでオブジェクトで設定する方法の方がクリック数も少ないですし使いやすいかなと思います。
次の手順3は簡単な作図の時は省いてもいいと思います。断面図など、結構手のかかる図面を作図する場合は、手順3のように画面ごと回転させた方が効率的です。
注意 上記の向きではなく180°反対の向きにしたいという場合はUCSコマンドでUCSを合わせて、UCSアイコンが下のような向きにしてから画面回転させてください。
レイアウト空間設定でビューポートを回転して表示させたい場合
レイアウト空間で図面の縦横を90°回転させて表示したい時に便利です。
断面図などを書く時、「図枠を縦にしたら入るのにな」という場合です。
基本的には上記でご紹介したUCS設定の方法の応用になります。
以上で完了です。
今回は簡単に説明させてもらいました
まとめ
UCS設定を別に使わなくても作図はできます。
ただ作図対象が斜めの時にはUCS設定を使った方が圧倒的に効率的です。
もちろん作図スピードも上がりますが、それよりも精神的ストレスが少なくなることのメリットの方が
大きいです。さらには図面も見やすくなり間違いやケアレスミスなどの防止にもつながります。
AutoCAD操作に向上心をお持ちの場合はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
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