この記事では、ハッチングを選択したときに表示される頂点や中点のグリップを使ってできる移動や回転、ストレッチなどの編集方法の使い方をご紹介します。
AutoCADでハッチングを移動やコピーをする時にハッチングの角(頂点)や辺の中点を基点にしたい場合、普通に移動コマンドなどを使用すると選択できませんがこれからご紹介する方法だと角や中点を基点にすることが出来ます!
結論から言うとハッチングを選択したとき四隅などに表示されるグリップを使用します。
通常はそのグリップをドラッグしてハッチングの形状を変形させることができますが、それ以外の方法でグリップを使って編集する方法をご紹介します。
グリップを使った編集方法
冒頭で移動、回転、ストレッチと書いていますが、全部で以下の5種類+1種類の編集方法があります。
- ストレッチ
- 移動
- 回転
- 尺度変更
- 鏡像
- (複写)
どの編集方法でも、最初のアクションは同じです。
1️⃣ ハッチングを選択します。
2️⃣ 表示されるグリップのうち、基点にしたいグリップをクリックします。
3️⃣ キーボードでスペースキーを押します。この時コマンドラインに「**移動**」とある通り移動コマンドが起動します。
4️⃣ もう1度スペースキーを押すと、コマンドラインに「**回転モード**」と出ているように回転コマンドが起動します。
5️⃣ 同様にスペースキーを押していくと、「**尺度変更モード**」「**鏡像モード**」さらに最初に戻って「移動」と繰り返しコマンドが起動されます。
6️⃣ 「複写」の起動方法は移動等の各コマンドを起動した時にコマンドラインに「複写(c)」と表示されているのでその文字をクリックするか、キーボードで「c」を入力して右クリックまたはエンターキーを押すと、それぞれコマンドに対応した複写(コピー)を行うことができます。
ちなみに
今回は、ハッチングの頂点や中点を起点とした移動等ができないので、ハッチングのグリップを使った編集方法としてご紹介していますが、実はハッチング以外でもこのグリップを使った編集方法は使用可能です。ハッチング以外のオブジェクトは頂点や中点を選択できるものが多いので今回はハッチングに注目してご紹介しています。
各コマンドの操作方法
念のため、各コマンドの操作方法もご紹介します。
移動
1️⃣ 前章の1️⃣〜3️⃣を行い「**移動**」コマンドを起動させます。
2️⃣ 目的の位置のポイントで左クリックし移動を完了させます。
回転モード
1⃣ 前章の1️⃣〜4⃣を行い「**回転モード**」コマンドを起動させます。
2⃣ 起動させると下の画像のように回転させることができます。
とはいえ、この方法だと角度も決めずに適当な角度に回転することになるので、きっちりした角度で回転させるには次の方法で行います。
3⃣ コマンドラインに下の画像のように「回転角度を入力」または[基点(B)複写(C)元に戻す(U)参照(R)終了(X)]と出るので、コマンドラインに角度を入力するか基点などをクリックして回転は完了となります。
尺度変更モード
1⃣ 前章の1️⃣〜5⃣を行い「**尺度変更モード**」コマンドを起動させます。
2⃣ 起動させ、カーソルを動かすと下の画像のように尺度変更させることができますが、回転モードと同様にこの方法だと適当な尺度になるため、きっちりした尺度で変更するには次の方法で行います。
3⃣ コマンドラインにしたの画像のように「尺度を入力 または [基点(B)/複写(C)/元に戻す(U)/参照(R)/終了(X)]と出るのでコマンドラインに尺度を入力するか基点などをクリックして尺度変更は完了になります。
鏡像モード
1⃣ 前章の1️⃣〜5⃣を行い「**鏡像モード**」コマンドを起動させます。
2⃣ 起動させカーソルを動かすと選択した頂点から始まる軸を対称軸として鏡像が行われます。下の画像は直行モードをオンにしている状態です。
3⃣ 頂点から始まる軸以外の対称軸を選択したい場合はコマンドラインの「基点(B)」をクリックするかBを入力してエンターを押し、対称軸にしたい基点をクリックして対称軸をつくります。
4⃣ 2⃣の画像の右にある線分を対象軸に鏡像を行ってみたのが下の画像です。
実はご紹介したものの、私はこの鏡像コマンドを使用した記憶がありませんので、あるということを頭の片隅に留めておくぐらいでいいかと思います。。。
まとめ
ハッチングなどのオブジェクトはグリップを使って下記の編集ができます。
- ストレッチ
- 移動
- 回転
- 尺度変更
- 鏡像
- (複写)
特にハッチングの頂点を基点にする編集は、使いたい場面が多いと思いますのでこの方法を使えば簡単に行えますので覚えておいてはいかがでしょうか。
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