この記事ではAutoCADのコマンド入力を日本語入力でも可能にする方法をご紹介します。
AutoCADのコマンド入力方法には、
- キーボードショートカットキー入力
- ツールバーやリボンからアイコンをクリックするクリック入力
- 右クリックでコマンドリストを出してコマンド入力する右クリック入力
の3つがあります。
今回はその中のキーボードショートカットキー入力についてお話していきたいと思います。
私もキーボードショートカットキー入力で作業しているのですが、操作に慣れてくるとキーボードやコマンドウィンドウを見なくても作図できるようになります。
その時に1番イライラするのが、かな入力になっていた時です。
コマンドウィンドウを見ないのでかな入力になっているのに気付かずにそのままコマンド入力を進めてしまいます。
そして、何度コマンド入力をしてもコマンドが起動しないという状況になるまで気付かずにイライラしてしまいます。
そうならないようにかな入力でも可能にする方法をご紹介します。
日本語入力でもコマンドを起動させる方法
それでは方法をご説明していきます。

パッと見ると英語だらけの画面が出てきて心が折れそうになるかもしれませんがちゃんとご説明するので大丈夫です。
なにをするか簡単に言うとAutoCADのショートカットキーを制御している「PGPファイル」というファイルがあり、それをカスタマイズしていきます。
まずはpgpファイルを開きます。
①AutoCADのメニューバーのツールをクリック
②出てきたメニューの中からカスタマイズをクリック
③「プログラム パラメータ(acad.pgp)を編集」をクリックで開きます。

すると次のような画面(メモ帳データ)が開きます。

カスタマイズはこのメモ帳データの中を変更していきます。
英字だらけですが、このPGPファイルを下にスクロールしていきます。
すると下の画像のようにコマンドがならんでいるところがあります。

この部分を書き換えて日本語入力でも可能にするのですが、あるルールがあります。
そのルールを理解しておくと、この後の手順が分かりやすくなります。
(ルール自体も簡単です。)そのルールが
「ショートカットキー, *コマンド」
という順序になっていて、書き換えるときもこれに合わせて書き換えるということです。
具体的に例をあげると
- [複写] CO, *COPY
- [移動] M, *MOVE
- [トリム]TR, *TRIM
というようになっています。そしてショートカットキーを書き換えるときは,の前の文字を修正します。
- 英字は大文字でも小文字でもどちらでも大丈夫です。
- , と * の間のスペースは1つ以上あればいくらでも大丈夫です。
説明が長くなってすみませんが次が本題になります。
いよいよ日本語入力でも可能にする方法のご紹介です。
手順2でご紹介した「ショートカットキー, *コマンド」の並びのショートカットキーのところを
「日本語のショートカットキー , *コマンド」に書き換えます。
具体的にどういうことか手順2であげたコマンドを例にとってご説明します。
[コマンド名]元のショートカットキー→日本語入力のショートカットキー, *コマンド
- [複写] CO→こ, *COPY
- [移動] M→m(全角), *MOVE
- [トリム]TR→tr(全角), *TRIM
という感じになります。キーボードと見比べてもらったら分かると思いますが元のショートカットキーを全角で入力しただけです。でもこれで日本語入力でもコマンド入力が可能になります。
どのコマンドに割り当てるかは、あなたが普段使っているコマンドに全角入力の文字に書き換えるだけです。
注意!
元のショートカットキーは残しておいて
CO, *COPY
こ, *COPY
というふうに日本語入力のショートカットキーを追加するようにしてください。
でないと通常の英字入力のショートカットが反応しなくなってしまいます。
書き換えられたら、変更を反映させる作業をします。
まず変更したPGPファイルを上書き保存してください。方法は3つありますがどれでも大丈夫です。
上書き保存の方法
- ctrlキー+Sキーの同時押し
- 左上のファイルの中の上書き保存をクリック
- 閉じる時に保存しますか?と出るので「はい」をクリック
上書き保存をしてPGPファイルを閉じたら、最後に重要な作業をします。
(この作業をしなくてもAutoCADを再起動すれば変更は反映されますが、
圧倒的に次の方法の方が簡単なのでこちらをオススメします。)
AutoCADのコマンドラインに「reinit」と入力すると次の画面が出ます。

この「再初期化」という画面の下の段の「デバイスとファイル初期化」の「PGPファイル(F)」にチェックを入れて「OK」をクリックするだけです。これで完了です。
以上で日本語入力でコマンドを起動させる方法が完了です。
以上の作業をしても、コマンド途中の入力はアルファベット入力にしないと反応しません。
例)鏡像 :元のオブジェクトを消去しますか?のあとの[はい(Y)/いいえ(N)]のYもしくはN など
日本語入力でも可能にする方法の前に、元のショートカットキーをカスタマイズされていない場合はそちらのカスタマイズを先にすることをオススメします。
まとめ
今回ご紹介した「コマンド入力を日本語入力でも可能にする方法」をすることによって、少しでもイライラが解消したりAutoCADのスピードが速くすることができます。
設定は面倒かもしれませんが、効果はありますので是非お試しください。
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