この記事ではAutoCADの端点や交点など特定のオブジェクトスナップを、キーボードショートカットを使って優先的に実行させる方法をご紹介します。
AutoCADでの作図をしているあなたはオブジェクトスナップを有効にして、自動的にスナップできるようにしている場合が多いと思います。
オブジェクトスナップを有効にしている時、『本当は端点を使いたいのに近接点や垂直のスナップが出てくる』というようなことはありませんか?
その時に、キーボードショートカットを使って特定のスナップを優先させる方法があります。
今回はその方法の他に、どのスナップを設定するかを合わせてご紹介します。
オブジェクトスナップをキーボードショートカットで有効にする方法
オブジェクトスナップをキーボードのショートカットキーとして割り当てる場合、キーボード上部にある「F1」~「F12」のファンクションキーに割り当てる必要があります。
そして、ファンクションキーにはAutoCADのデフォルトとしてすでにスナップなどのコマンドが下の表のように割り当てられています。(AutoCADヘルプからの引用)
キー | 機能 | 説明 |
F1 | ヘルプ | アクティブなツールチップ、コマンド、パレット、ダイアログ ボックスのヘルプを表示します。 |
F2 | 履歴表示 | コマンド ウィンドウで、コマンド履歴を展開して表示します。 |
F3 | オブジェクト スナップ | オブジェクト スナップのオン/オフを切り替えます。 |
F4 | 3Dオブジェクト スナップ | 3D 用の追加オブジェクト スナップのオン/オフを切り替えます。 |
F5 | アイソメ平面 | 2D アイソメ平面の設定を順に切り替えます。 |
F6 | ダイナミック UCS | 平面サーフェスへの自動 UCS 位置合わせのオン/オフを切り替えます。 |
F7 | グリッド表示 | グリッド表示のオン/オフを切り替えます。 |
F8 | 直行モード | カーソルの動きを、垂直方向または水平方向に固定します。 |
F9 | グリッドスナップ | カーソルの動きを、指定したグリッド間隔に制限します。 |
F10 | 極トラッキング | カーソルの動きを、指定した角度に制限します。 |
F11 | オブジェクト スナップ トラッキング | カーソルを、オブジェクト スナップ位置から水平方向または垂直方向にトラッキングします。 |
F12 | ダイナミック入力 | カーソルの近くに距離と角度が表示されます。[Tab]を使用してフィールド間を移動し、入力することができます。 |
このようにすべてのファンクションキーに設定の切り替え機能などが備わっていますが、この中で作図中に頻繁に使うものがいくつありますか?

私がこの中で使うとしたらF8(直行モード)とF10(極トラッキング)ぐらいです。
ということで、デフォルトのファンクションキーに備わっている機能はほとんど使わないものが多いので、日頃から使う機能を新たに割り当てるのにちょうど良いのがオブジェクトスナップなんです。
ちなみにショートカットキーを使わずにオブジェクトスナップを有効にさせる方法は以下です。
- 作図補助設定でオブジェクトスナップを有効にする。
- 作図中にshiftキーを押しながらマウスの右クリックすると、オブジェクトスナップのメニューが出てくるのでその中から優先するスナップを選ぶ。
使いたいスナップをキーボードの好きなキーに割り当てる方法
それでは、ファンクションキーにオブジェクトスナップを割り当てる方法をご紹介します。
メニューバーの「ツール」のなかの「カスタマイズ」をクリックし、その中の「インタフェース」をクリックします。

すると次の「ユーザインタフェースをカスタマイズ」というウィンドウが出てくるので、左上の「すべてのファイル内のカスタマイズ」の中の
「キーボードショートカット」の左の⊞ボタンをクリックし
「ショートカットキー」の左の⊞ボタンをクリックします。
するとショートカットキーが設定された色々なコマンドが出てきます。
今はここは開いておくだけにします。(あとで作ったショートカットキーをここに入れます。)

次に左下の「コマンド一覧」にコマンドが表示されているので、その中から割り当てたいオブジェクトスナップを選び、ドラッグ&ドロップで手順2で開いた左上のショートカットキーにドロップします。
下にスクロールしていくとスナップコマンドがあるのですが、探すのに時間がかかるので検索ツールを使用します。
「スナップ」と入力すると、スナップがほぼ一覧として表示されます。

そして、使いたいスナップをドラッグして先ほど開いた「ショートカットキー」のところにドロップします。※複数作る場合は手順3の画像のようにドロップ先でまとめておいた方が分かりやすいです。

手順2でドロップしたスナップをクリックするとウィンドウの右側にプロパティが出てきます。
そのプロパティの中のアクセスの右下の…をクリックします。

すると下の画像のウィンドウがでてくるので「新しいショートカットキーを押す:」の下の空欄をクリックしてから割り当てたいファンクションキーを押します。

他に割り当てたいスナップがあれば、手順1〜3を繰り返します。
最後に適用をクリックしてウィンドウを閉じれば、オブジェクトスナップのショートカットキーの割り当てが完了です。
ファンクションキーを最大限活用する場合、キーボードの種類にもこだわった方が効果的です。
具体的にはキーボードのファンクションキーの配置が他のキーと離れている方が使いやすいです。
どういう事かというと、下のキーボードはコンパクトでオシャレですが、ファンクションキーが他のキーと同じような大きさと間隔で配置されているのでブラインドタッチでファンクションキーを押す時に離れていないと探しにくいからです。
引用:Amazon
ファンクションキーをショートカットキーとして活用するのであれば下のようなキーボードがオススメです。(私もこのタイプです。)このタイプだとF4とF5の間が離れているので、そのF4とF5によく使うオブジェクトスナップをショートカットキーとして設定すると、すきまをホームポジションとして認識できるのでブラインドタッチしやすいです。
引用:Amazon
ファンクションキーに元々設定されている「F1-ヘルプ」などを使いたい場合は、ctrlキーを押しながらファンクションキーを押してください。そうすると各ファンクションキーに元々設定されている機能が起動します。
私のファンクションキーの割り当て
参考に私のファンクションキーの割り当てもご紹介します。
使い勝手は人それぞれだと思うので、あくまでも参考としてみて下さいね。
また、F8~F12は左手のホームポジション(Escキー)から遠いのでカスタマイズせずデフォルトのままになっています。
キー | 機能 |
F1 | スナップ-仮想交点 |
F2 | スナップー基点設定 |
F3 | スナップー中点 |
F4 | スナップー中心 |
F5 | スナップー端点 |
F6 | スナップー交点 |
F7 | スナップー垂直 |
F8 | 直行モードのON/OFF |
F9 | グリッドスナップ |
F10 | 極トラッキング |
F11 | オブジェクト スナップ トラッキング |
F12 | ダイナミック入力 |
まとめ
AutoCADの作図をキーボードショートカットを使用される場合は、オブジェクトスナップのショートカットも使用した方が効率的です。スピードもそうですが思い通りのスナップにならない時のイライラが解消されストレスが少なくなるのでオススメです。

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